やっとこさ、本番が始まるさ♪
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5合目に集い始めるバカ達!
もうすでに全開(笑
夢を秘めたバカ達が集まると、なんでこんなに楽しいんだろ?
全国から集まる参加者たち。
北海道ー5人
埼玉ー1人
東京ー2人
千葉ー3人
神奈川ー4人
愛知ー5人
大阪ー4人
奈良ー1人
兵庫ー1人
京都ー4人
福岡ー1人
熊本ー1人
12都道府県から、この日本一の地を極めるために、
頭の悪い(笑)32人の夢追い人達が集ったんだ!!
一部のバカは、絶対に参加費より交通費の方が高いだろ!?(笑
見るからに裕福ではない参加者たち(笑
お前ら、どんだけアホなんだ!?(笑
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残り少ない有給を使い果たして来るバカ。
研修初日という日に、上司を説き伏せて休みを取ってきたバカ。
「参加費を払えないけど、参加したい!立て替えといて!」と言ってきたバカ。
前日手に大怪我を負ったにも関わらず、強制参加したバカ。
北海道の空港からバナナの着ぐるみで来たバカ。
前日ライブをしてから来るバカ。
もうね、バカの巣窟ですわ(笑
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まずは、班分け。
32人を3グループに分ける。
1班ーーバカ全開!チョッパヤチーム♪
10名・リーダー『ヒロユキ』
makoto、もっち♯、てっぺ~、しょ~へ~、
ケーちゃん、ごっちん、ようこ、AngelYuYu、ゆみ
2班ーーお笑い!ノーマルペースチーム♪
10名・リーダー『あや』
ディー、ゆうた、しずか、エージ、
43こー♪、ナミ、ケンケン、あくびちゃん、シンデレラみさと
3班ーーチームワーク!のんびりチーム♪
12名リーダー『このみ』、
まさし、ジォ、はなみん、トッポジージョ、
えっけ、フェニックス、ひろこ、もじゃこ、さゆら、
みど、ぁぃ
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そして、各班に「信念の旗」を配布♪
実はこの旗こそが、富志夢2007の醍醐味♪
伸縮自在の物干し竿(1.5m~3.0m位)に、
110cm×110cmの旗をくっつける。
1班に赤い旗を、2班に青い旗を、3班に黄色い旗を配り、
そこに各班の班員全員の信念を書き込むんだ!
絶対に折れない信念を掲げながら、日本の頂へ!
熱くね!?(笑、カッコよくね!?(笑
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まぁ、この旗に込められた意味は
それだけじゃないけどね!♪
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そして、北海道の路上似顔絵描き「なっちゃん」デザインによる
最幸のTシャツを全員で着てみんなで記念撮影♪
今回残念ながら参加できなかった「なっちゃん」
この場にいないのは残念だけど、
お前の絵でみんなこんなに笑顔だぞ!?
お前は世界一の絵描きだ!!
このTシャツが、富志夢メンバーの絆だ!
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準備運動や、登山前の注意点のお知らせ、
そして、最後におれがどうしてもやりたかったこと、
オレによる参加者全員の紹介をするんだ!
たくさんの想いを持って、全国各地から集まってきてくれた参加者たちを、
一人でも疎かにしたくない。
全員の夢、顔、性格を極力把握したい!
ミクシーの自己紹介文、もらった参加表明に、
何度も何度も目を通して考えた。
一晩かかったよ(笑
でも、幸せな時間だった♪
みんなの夢が、生き方が、なんか見えてくるんだ。
それをオレ流に噛み砕いて短い紹介文にした。
まさしに、「プロレスラーの紹介文みたいだ」と笑われたっけ(笑
やっぱオレの色が出たか!?(笑
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参加者たちは、顔に文字を書き込んだ!
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前向きな言葉から、意味不明な言葉まで、オンパレード(笑
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歌えや踊れやのお祭り状態♪
<
p>・
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そして、もう定番になった「はじめの一~歩♪」をして、
ついに開始♪
さぁ!!
ここからが「富志夢フラッグ・2007」本番だ!!!
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実は、疲れのピークだったオレは、
このスタートの時、
すでに軽い頭痛と、息切れに見舞われてた(笑
これって、高山病!?
ちょっと先走り過ぎじゃねーか!?おれ・・・(笑
今回で7回目の富士登山!
間違いなく、今回が一番最悪なコンディション!!(汗
まさか主催者が途中リタイヤなんてシャレにならんぞ!?
出だしから内心ヒヤヒヤ・・・。
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と、思ってたのも最初だけ♪
さすがは富志夢メンバー。
「あのぉ・・・皆様、今過酷な登山してるって分っておられますか?」
って聞きたくなるくらい、アホみたいに騒ぎまくる♪(笑
今回は、一班にも女の子を加えるという試みで、
若干ドキドキだったが・・・・・・・・、
なぁんの問題もありゃしない!(笑
むしろムードメーカーになって引っ張ってくれる
「ゆみ」「ようこ」「ゆうゆ」のアホ三人(笑
休憩中だというのに、跳んだり跳ねたり♪(笑
休もうという気が全く感じられない(笑
ハイテンション過ぎんぞ?お前ら(笑
なのに、なんでだろうね?
オレの高山病がさ、登れば登るほど、治ってくんだ(笑
(普通の人は、高度が上がるほど症状が悪化するはずなんだ。普通なら・・・)
アホの資質が、また一つ開花したか!?(笑
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6合目に到着。
6合目の安全指導センターで、係員のおっちゃんに止められる男。
☆☆☆もっち☆☆☆
夢は世界中の森にアスレチックを創ること。
3度のメシよりもセクハラを愛する変態!
その行動力、フットワークの軽さも、
超メジャー級の変態さん(笑
なんで止められたかって?
見ての通り、浴衣を踏んで転んだら危ないから!
ちなみに、「なんで浴衣で登るのか?」と聞いたところ、
その返答は・・・・
「だって・・・・・・・夏だから・・・・・・。」
はい、アホですね(笑
まぁ、何度も登頂経験のある体力バカだ。
登り切るだろうて。
ちなみに、ナス、バナナの着ぐるみは、問題ないそうな。
そうだったのかぁぁっ!?
良かったんだ・・・・・・?(汗
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登山中もバカ全開♪
バナナの皮を見つけ、お決まりのズッコケをかます「てっぺ~」。
「あっ、ごめん!撮り損ねたからもう一回!」とカメラを構えるオレ。
見事要望に応えて、もう一回転んでくれる「てっぺ~」。
大爆笑なオレ。
しかし、派手なリアクションを付け過ぎて、手の平を派手に擦り剥く「てっぺ~」。
本気で心配するオレ。
痛そうなのに、実に満足そうな笑顔の「てっぺ~」。
てっぺ~、お前はお笑い芸人か!?(笑
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この見事な雲海を見ては、
「龍の巣だぁぁぁっ!!」
と、ラピュタの真似をし出す一行。
富士山って、本当にラピュタにいる感覚を味わえるんだ。
登山道の渋滞を見て、オレがふざけて
「人がゴミのようだぁっ!!」
とムスカの真似で遊んでいると、
「ごっちん」はこう言った。
「人が夢のようだぁ♪」
やられたね!
主催者よりも主催者っぽいこのセリフ。
『ベスト富志夢名セリフ賞』を贈ります♪
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登山中にさ、たまに下を見ると、
見えるんだ。
旗が。
信念の旗が!!
青と黄色の旗が!!
大きな旗を持つことで、それぞれの場所が分かるんだ!
大きく旗を振ると、
2班3班も気付いて旗を振ってくれる。
この感覚がさ、たまらんのよ♪
離れたところにも仲間がいる。
トランシーバーからは、楽しそうな声が。
肉眼では、信念の旗が。
おれらは、絆という見えない虹で繋がってるわけよ!
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そうそう、虹と言えば、
こんな奇跡も見たよ。
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富士山の頂上から真上に伸びる一筋の飛行機雲。
これもある意味、虹でしょー!?
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そうこうしている間に、今夜休ませてもらう山小屋「元祖室」の
一個手前の「白雲荘」に到着!
もう、「あれ?」っていう間に着いてしまったよ。
「白雲荘から、元祖室の間の坂道を、ダッシュしようか?」
という大バカ者が現れる。
それを聞いた瞬間走り出したオレも、十分大バカなのかな?
「1位は譲らん!!」と言わんばかりの勢いで走ったはいいが、
10秒で息切れ・・・・。
その数秒後には、ドンドン追い抜かれていく始末。
うぅ、体力の衰えを感じる・・・(泣
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1班、無事に全員山小屋「元祖室」到着☆
イェ~~イ!楽勝だぜ!!
という風に見えはするものの、
サクサク来たのは事実だが、さすがに疲れた様子の参加者たち。
本日の寝床案内し、休む人は休ませる。
オレは、外に出て、後続班を待った。
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実は、心配な知らせを聞いていたんだ。
3班の「みお」が高山病にかかっている・・・・・・。
去年ここでリタイヤした参加者を思い出してた。
今年こそは、全員で登頂したい。
でも・・・・・・・
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2班は、無事に登れてるのか?
3班は?みおは?
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心配ばかりが頭をよぎる。
もうここまで来たら、「心配」でなく、「信頼」しかない!
そう言い聞かせても、やっぱり心配。
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日が沈みそうな頃、
2班が無事到着!!
みんな無事だ!!!
1班総出で2班を出迎える。
みんなでハグし合い、再会を喜ぶ。
ほんの数時間ぶりなだけなのに、その数時間の濃さを物語る感動の再会。
当然のことながら、1班だって辛くなかったわけじゃないんだ。
2班が乗り越えてきた険しい道を知ってるからこその
「おかえり♪」だった。
あやは、着くなり大号泣。
うん、たぶん、
2班で一番、
誰よりも厳しいプレッシャーと
闘ってたのはあやだもんな。
初めての登山なのに、
自分が登り切れるかも分らない状態で、
「2班を全員連れて来なきゃ!」っていう強い責任感を持って
登ってきてくれた、あや。
無事に、みんなを連れて来てくれたあや。
もちろん、あやだけじゃなく、ディー、ゆうたとかさ、2班みんなの力が
合わさっての全員到着なのは、分ってるけど、
間違いなく、あやのおかげでもあるんだ。
オレは知ってるよ。
離れてても、あやがどんだけ頑張ってたかをさ。
強がりながら登ってたあやの緊張の糸が途切れた瞬間だったんだな。
思いっきり泣いていーよ。
ありがとう、あや。
本当によく頑張った。
すげーぞ!!
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3班は、まだだいぶかかりそうだ。
やっぱり「みお」の状態が思わしくないようだ。
3班をさらに2つに分けて登ってるらしい。
とりあえず、1班と2班は、先に飯を食ってもらうことにした。
休めるなら、しっかり休んでもらいたい。
みんなで登り切るために。
試練を乗り越えた仲間たちで食うカレーは、
究極で至高☆
たぶん、これに勝る調味料なんてないんだろうな。
美味過ぎる!!
ここに3班がいれば、もっと美味いんだろうな・・・。
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トランシーバーから、3班のジオ声が聞こえた。
オレの心配を吹き飛ばしてくれるジオの明るい声。
3班も、つらいなりに楽しみながら登ってくれてるんだ・・・。
嬉しかった・・・。
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ついに、一個下の山小屋「白雲荘」に着いたという知らせを聞いた。
こらえきれずに山小屋を飛び出る。
元祖室の前から、下を見る。
いた!!!
3班だーーーーー!!
もうすっかり暗くなってしまった登山道を、逆走する。
!!?
3班に合流して、すぐに目に入った光景は、
「みお」の満身創痍の姿だった。
誰かに支えられてないと、立ってさえいられない状況。
オレは「みお」の前でしゃがんで言った。
「乗れ!背負ってでも連れてってやる!!」
「みお」は弱り切ったか細い声で答えた。
「いやだ、自分の足で行く・・・・・・」
・・・・・・・・・
少し悩んで答えた。
「よし、行こう!!」
見るからに高山病の症状。
「みお」を支えるオレの手に、「みお」の体の力を感じない。
ゆっくり、ゆっくり、一歩ずつ、一歩ずつ、
「みお」と、3班のみんなと歩いた。
「みお」の一歩一歩を、しっかり見届けようと想った。
・
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元祖室の鳥居では、1班2班が、フラッグを用意して待っていてくれた。
ゴールした瞬間、倒れ込む「みお」。
そこに降り注ぐ、あったかいフラッグの嵐。
全員で元祖室に着いた祝福のハグと、熱い涙で満ち溢れてた。
もう動けない「みお」を背負い、元祖室まで連れて行った。
温かい暖炉の横で、フラッグに包ませて、「みお」を休ませる。
あやも心配してきてくれた。
このみも。
こんなに満身創痍な3班を連れて来てくれた「このみ」。
「あや」と同じく、今回が初登山。
どんだけプレッシャーがあったろうな?
「みお」の高山病をはじめ、
いろんな不安が渦巻く中、
たくさんのプレッシャーを背負いながら登って来てくれた。
本当に頑張ってくれた。
ありがとう。
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・
「みお」を寝床で休ませた。
その際、「みお」に声をかけた。
「ゆっくり休めよ、・・・・・・・・そんで絶対に一緒に頂上に立とうな。」
溢れそうな涙を、ギリギリでこらえながらのセリフだった。
なぜなら、この時、もう決めてたから。
「みお」をリタイヤさせることを。
それを伝えると休めないだろうと思い、
精一杯の嘘を付いたんだ。
「みお」ごめん・・・・・。
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3班でカレーを食べて、みんなで休む。
・
・
あれれ?
おれの休むスペースがねーじゃん?
寝床は、なぜかいっぱいになってた。
まぁ、いーや。
どーせ、今夜は寝れそうにない。
おれは暖炉の横で、一人座り、ビデオカメラの映像を見直してた。
5合目で撮った「みお」の映像があった。
それは、「みお」が夢を語っている映像だった。
頂上で叫ぶための夢を語っている。
すごくキラキラした顔で。
オレ、涙が止まらなかった。
漏れそうな声を必死に押し殺して、
顔を隠して泣いてたんだ。
オレは、これから、「みお」の夢の一つを切るんだ。
高山病は、下手すれば命に関わる。
命に比べれば、どうってことない問題なんだ。
そう言い聞かせても、
ビデオから流れる「みお」の笑顔が、オレを締め付ける。
・
・
ためらうんじゃねぇ!!!
・
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起床時間。
やっぱり、結局一睡も出来なかった。
スタッフの、このみ、あや、がいち早く降りて来てくれた。
あや、このみにみんなを任せて、
オレは「みお」を呼び出した。
こっから、永遠にも感じるほどの、長い長い時間が始まるんだ。
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・
・
「調子はどうだ?」
「うん、だいぶ良くなったよ。」
「行けそうか?」
「うん」
「これからの登山道のことを説明するぞ。」
「うん」
「こっからは、さらに酸素も薄くなって、登山道も険しくなって、
渋滞が始まる。
山小屋も、あと2~3個で終わりだ。
その先に、休める山小屋はない。
引き返すのも難しくなるんだ。
ぶっちゃけて、今まで以上につらい登山になるぞ。
しかも、そのつらさが、5時間は続くと覚悟してくれ。
それでも、登るか?」
「・・・・・・・・・・・もし、みんなの迷惑にならないのなら、登りたい。」
「今まで以上につらいと承知の上で言うんだな?」
「・・・・・・・・・・・うん」
「どうしてもか?」
「ヒロユキだったらどうする?」
「・・・・・・・・・・オレなら、登るって言う。
でも、主催者の立場としては、これ以上登らせたくない!」
「みお」は、しばらく押し黙った後、
富志夢にかける想い、夢にかける想い、
全てを余すことなく語ってくれた。
その内容は、残念ながらここには書けない。
初めて深く知った「みお」の夢。
それは、夢という言葉では軽過ぎる内容だった。
それは、天から授かったもの。
「みお」が生まれてきた意味、つまり使命だと感じた。
それを成し遂げるために、富士山に登り切って、自分を変えるんだ!
そうオレに言った。
・
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オレは、去年「ゆうた」と走った72時間マラソンを思い出した。
後半、疲れでフラフラして死んだ目してるオレに、
「ゆうた」が言ってくれた言葉。
「この72時間マラソンって人生の縮図じゃん?
ヒロユキは、疲れたら、どうでもよくなるんだ?
ヒロユキはその程度なんだ?」
うん、おれは、その時、
「疲れてるからしょうがない」と心のどこかで想ってた。
疲れに甘えてたんだ。
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・
「みお」の話を聞いて涙が止まらなかった。
「みお」は、オレなんかよりもはるかに強い。
オレな、今まで、「みお」と眼を合わせずに話してたんだ。
「みお」の夢を切るのが、ぶっちゃけて怖かったから。
「みお」の話を聞いて、自分が恥ずかしくなった。
まさか、これほどの覚悟で来てくれているとは、想ってなかったんだ。
そこから、オレは、「みお」の眼から一時も眼を離さなくなった。
どんな決断を下すにしろ、「みお」の全てを受け止めるんだ!
「みお」の眼を見据えて、また話を始めた。
「正直に答えてくれ。今の体調は何%くらいだ。」
「60%くらい。」
「さっき話した状況を、しっかり理解して、
自分の体調をしっかり把握した上で、絶対に登りたいのか?」
「うん、絶対登りたい!」
「みお」の口調が変わった。
夢を語った後、あやふやな口調が無くなったんだ。
眼を見てると、本当に伝わる。
「みお」の決意。
体調の回復。
どうする?
どうする??
そんな迷ってるオレに「みお」が言った。
「ねぇ、今からカレー食べれるかな?」
なんと、お腹が減ったと!?
「うん、大丈夫、注文できるよ。」
この言葉が決め手になった。
メシが食えるなら、元気な証拠だ!
元気があれば、なんでもできる!!
猪木がそう言ってたじゃないか!?
(上の葛藤は、リアルに頭の中で起こってました・笑)
・
うん、「みお」は行ける!!
・
・
「分かった。登ろう!ただし、条件がある!
みおに、一人の男を付ける。
3班からも離れて、そいつと一緒に、ゆっくりでいい、
登って来てくれ。
ただし、一度、この上の山小屋に着いた時点で、
そいつにみおが登れるか判断してもらう。
もし、そいつが、『もう無理だ』と判断したら、
登頂を諦めて、そこの山小屋で休んで、みんなの下山を待ってくれ!
これが条件だ!」
「・・・・・うん、分かった、ありがとう!」
「みお」の顔が、パァッと明るくなるのが分かる。
オレは、知る限りの登れるためのあらゆる知識を「みお」に教え込んだ。
歩き方、呼吸法、果ては精神論まで。
最終的な言葉は、これ。
「登るなら不安な気持ちを一切持つな!
人生は想った通りにしかならない!
絶対登り切れると思い込めば、本当に登り切れるんだ!
オレは、登るための方法を全部教えた!
これを知ってれば絶対登り切れるんだ!!
絶対登り切れると信じ込んでくれ!!」
もうね、神頼みに近い言葉さ。
でも、おれにはこれしかできない。
出来ることを全部やり尽くすしかないんだ。
・
・
「みお」がカレーを注文してる間に、
オレはあの男の元へ行った。
それは、「みお」の同伴を任せられるたった一人の男。
フェニックス。
全人生をかけて臨んだ、合格率2.7%の司法書士試験。
奮闘およばず、まさかの2年連続の失敗。
さすがに落ち込み、ファイティングスピリットを失いかけてた矢先に
何かのキッカケをつかみたいんだ!
と、参加表明をくれた男だ。
この「みお」の不屈の闘志を、ぜひフェニにも伝えたい。
他にも、
前回1班で登り切った経験と体力。
31歳という人生経験。
夢の重さを知ってること。
命の重さを知ってること。
「みお」の付き添いは、もう、フェニ以外あり得ない。
そう確信した。
・
・
おれは寝ているフェニを起こして、
連れ出した。
「フェニ、話があるんだ。」
オレの様子にタダならぬ空気を感じたらしく、
真剣な面持ちで来てくれた。
「実はな、頼みがあるんだ!」
「どーした?」
「みおを頂上に連れて来て欲しい。」
「みお」の状況と、別行動のことを説明した。
フェニも、すぐにオレの頼みの重さを理解してくれた。
これは、「みお」の命に関わる判断を要求されるということ。
うっかりミスはあり得ないという重い決断を下さねばならないということ。
さらに、もし、「みお」をリタイヤさせたら、
近くの山小屋に「みお」を休ませて、
フェニ一人で頂上まで来てくれ!とオレは言った。
それも、どれだけ過酷なことか分ってる。
できるなら、オレがその役をやりたい。
でも、オレは主催者。
先頭にいなければいけない。
フェニは、120%理解してくれてた。
「どういう状況ならリタイヤさせるべきなのか?」
など、ドンドン質問を投げかけてくれる。
実に頼もしかった。
そして、最後の一言が、オレを安心させた。
「おれは、健康重視でいくからな?」
うん、間違いない。
フェニ以外に適任はいない!!
眼を見据えて言った。
「任せたぞ!!」
フェニもハッキリと答えた。
「分かった!!」
硬い握手を交わした。
「頂上で待ってる!!!」
・
・
・
出発前に、班員の移動が少しあった。
2班えーじ→フリー
3班みど・あい→2班
1班しょーへー→1班
ただでさえ、男の割合が少ない2班へ、
気配りや、フォローの上手かったしょーへーを回した。
3班は、班員を極力少なくして、スタッフの負担を減らすため、
3班の先頭集団・みど・あいを、2班へ移した。
・
・
山小屋の外は、
真っ暗な登山道。
そして、東京都の中心地を遙かに凌ぐ人出で、
大渋滞をしていた。
これからの登山の厳しさが、容易に想像付く。
ぶっちゃけて、不安でいっぱい・・・・。
「みお」以外にも、何人か軽度の高山病の症状が出ている。
スタッフにさえも・・・。
全員の顔を頂上で見たい!
5合目の出発とは、明らかに違う、重い重い8合目の再出発。
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あや、このみ、ディー、ゆうた、はなみん、ジオ、
そして、フェニックス。
頼むぞ!
みんなを無事に連れて来てくれ!!
あの頂上に!!!
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